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学長室から――韓国・長老会神学大学校との学術交流プログラム

 東京神学大学は韓国の長老会神学大学校との間に相互協定を結んでいます。これは近藤勝彦学長時代の2011年に締結されたもので、この協定に基づき、教員が交互に訪問して、講演・講義を行なうことで、学術交流の機会を持っています。コロナ禍の影響で、しばらく中断していましたが、2023年から再開しています。
 昨年は私がお訪ねしましたので、今年は長老会神学大学校から高元錫(コ・ウォンソク)教授をお迎えし、11月18日と19日に講演をしていただきました。高教授はキリスト教教育、特に聖書教育を専門にしておられ、18日には「叙事性と聖書教授法――フレッチャーの『ワンダーワークス』に基づいて」と題して、19日には「こどもに罪をどう教えるか――神学的意味と経験的観察との批判的対話」と題して、それぞれ講演してくださいました。また、20日にはチャペルでの礼拝説教をも担当してくださいました。
 18日の御講演は原理的な事柄にかかわるものでした。古典文学の持つ叙事性の力についての認識を踏まえながら、それが聖書教育に重要であって、聖書教授法にどのように展開されるかについて、刺激的で示唆に富んだ学びができました。19日の御講演は、より実践的な課題にかかわるもので、子供の認知発達段階を踏まえ、具体性に重点を置いた罪の教え方について教えていただきました。神学という抽象的思考を要請される学びの中で、具体性を喪失する危険、それゆえの信仰の弱体化の危険を考えさせられることになりました。伺っていて、ふと「子供のように神の国を受け入れる」(ルカ18:17)という言葉にも思いをいたしました。(神代)