2026年度入試情報

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学長室から――「車の両輪」

 毎年この時期に話題にしていますが、東京神学大学において折に触れて耳にする「神学校と教会とは車の両輪」という言葉について、10月の神学校日をひと月後に控えて、改めて、また、今回は、なるべく簡潔に書かせていただきます。
 まず、「神学校と教会とは車の両輪」というのは、「神学校は学問の場所、教会は信仰の場所」という意味ではなく、伝道者養成の営みは、神学校と教会の両方において、学問的にも信仰的にもなされるという意味であるということを確認しておきます。神学校と教会とは互いに補い合って伝道者の養成にあたります。
 これは、言い換えれば、神学生は、神学校でも教会でも学問上・信仰上の両方の訓練を受けるということです。教会は、このとき、特に信仰と神学を体感・体得するところとして理解されていると言えるでしょう。聖書の言葉も教会の教えも教会生活の中で、従って、現実とのかかわりの中で鍛えられながら、身に付いていく必要があります。
 他方、神学校もまた、単に神学の学習や研究の場であるだけでなく、イエス・キリストの弟子としてのあり方・生き方が養われる場でもあります。神学校生活においても、信仰と神学が体感・体得されるのです。
 このようなわけで、「神学校と教会とは車の両輪」というのは、伝道者養成という目的(これが「車」です)のために、神学校と教会とが学問についても、信仰についても重要な役割を担い、協力していくということなのです。(神代)