名誉教授
棚村 重行(Shigeyuki Tanamura)
歴史と聞くと、「暗記物」だとアレルギー症状を起こす人がいる。だが、実は歴史の意味は広く深い。それは、過去の「出来事」としての歴史を理解するため、現在、「報告」としての歴史(史料)を読み、「学問的作業」としての歴史(学)により再構成し、「叙述」としての歴史(書)を生み、それを読む集団の「未来」としての歴史を形成する。とすれば、過去-現在-未来に向けて責任的に生きようとする人のために、特に信仰共同体でこの生き方の確立をお手伝いするのが、「歴史神学」という分野なのである。