あなたを待っています。
日本基督教団 萩教会 牧師
新保 恵子
「わたしはあなたを選び、決して見捨てない」イザヤ書四十一章九節の御言葉を「召命」と信じ、萩教会へ遣わされて十年目になります。主の恵によってこれまで与えられました「牧師に召された喜び」を振り返りますと、まず東京神学大学に入学を許された事が挙げられます。先生方の真剣に取り組んでおられる講義、夏期伝道実習など備えられていたカリキュラムにより、信仰と知識が養われました。先生方と職員の皆様からの暖かな祈りと励まし、お支えに包まれるようにして大切に育てて頂きました。現在も学んだことや支えて頂いた経験が、伝道牧会の指針と力になっています。卒業後も積極的に学びの会を設け、近隣の同窓生を中心に集まっています。学生生活が充実し、楽しかった思い出を皆、心に持っているからだと思います。
牧師に召される事は、自分自身の思いを遥かに超える「主の御業」に用いられる喜びがあります。萩教会へ遣わされて五年が経った時でした。無牧の二つの教会から代務の依頼がありました。私は島根県の津和野教会(二〇一一年四月~)夫は山口教会(二〇一一年四月~二〇一三年三月)の代務者となり、二人で三つの教会に仕えるように導かれました。教会へ着くと「牧師が来られた」という安心と喜びの表情を浮かべて待っていてくださいます。教会員の皆様にとって、礼拝と牧師の存在がいかに重要であるかが伝わってきました。
また津和野教会は一九八〇年から無牧となり、三十五年間「牧師を与えてください」と祈りを重ねてきました。現住陪餐会員三名の小さな群れです。さらに教会建物が著しく老朽化していました。様々な困難が予想されます。「こんな小さな群れに来てくださる方がおられるだろうか」との声が聞かれた事もありました。しかし「教会在住の牧者をお迎えする最後の機会かもしれない」との一致へ導かれ、牧師館を併設した新会堂建築へ導かれています。伝道牧会の中核となる牧師をお招きする事が、教会の希望となっています。
教会で与えられる出会いは、かけがえのない喜びです。主日礼拝をはじめ、様々な機会で牧師を覚えて、力強い祈りが捧げられています。教会員の皆様に祈られ、支えて頂きながら、イエス様の十字架と復活の福音をお伝えするように召されている事は、大きな喜びです。
「決して見捨てない」とイエス様があなたを待っておられます。