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近藤学長のメッセージ
 

学長からのメッセージ

 東京神学大学(Tokyo Union Theological Seminary)は、福音主義のキリスト教に基づいた神学専門の単科大学です。その使命は、福音の真理を神学的に深く研究し、それを踏まえて福音伝道と教会形成のために働く伝道者・牧師を養成することです。本学の卒業生には、日本基督教団の諸教会に奉仕している牧師が多くおり、他のプロテスタント教会に奉仕している牧師もおります。また、キリスト教学校(中学・高等学校)において聖書科を担当し、あるいはキリスト教大学において聖書や神学の研究と教育に従事している伝道者・牧師もおります。

 こうした純然たる神学研究と伝道者の養成を目的とした神学の単科大学は、日本ではほとんど唯一と言ってよいでしょう。それだけに東京神学大学は、諸教会やキリスト教諸学校との福音主義的な信仰の交わりを尊重し、またそれによって支えられてもきました。そのようにして、学問的には国際的水準に優るとも、決して劣らない成果を挙げて今日に至っています。

  一昨年は日本にプロテスタント伝道が開始されて150年の年でした。東京神学大学はこの日本伝道の歴史を諸教会と共に歩んできました。具体的には日本伝道の当初からのプロテスタント各派の神学塾や神学校が、それぞれの経緯を経ながら東京神学大学に合流した事実によく現われています。東京神学大学の直接の前身は、日本基督教神学専門学校ですが、そこには明治初期の宣教師ブラウンの神学塾、その流れを汲んだ明治学院神学部や東京神学社をはじめとして、青山学院神学部やその他プロテスタント諸派の神学校のほとんどすべてが合流しました。東京神学大学は、福音主義の神学に立ちつつ、ここに合流したさまざまな神学校の伝統を摂取し、日本のプロテスタント教会が育んできた最良の神学的伝統を継承し、さらに現代の諸問題に直面しつつ、新しい創造的展開に向かっていこうとしています。

  現代はきわめて高度な技術文明の時代であり、グローバル化した産業社会の時代です。しかし人間や世界の問題は、決して技術と産業だけで解決できるものではありません。かえって現代は、精神的な意味の枯渇や、倫理的な崩壊の危険に直面している時代です。人間もその文明も、水平次元にだけ没頭し、垂直的・超越的な実在との関係を欠如するなら、真の意味と力の源泉に汲むことができず、進むべき進路を見失います。

  本年3月11日の東北関東大震災と未曽有の巨大津波、そして福島第一原子発電所の深刻な事故により、日本社会は大きな打撃を受けました。多くの人命を失い、家屋や故郷を失った被災地の方々に深く哀悼とお見舞いを申し上げます。

 この時代に、教会は聖書が証言するイエス・キリストによる救いと確かな希望を生き生きと伝えなければなりません。そのためには現代社会の中に真の教会が形成されるべく働く人々が必要です。神の救いの出来事を深く理解し、福音の真理を人々の心に届く言葉で語り、福音の前進のために仕える人々が求められています。 そのために献身すべく神の召しを受けて、志を与えられた人は、ぜひ、東京神学大学に入学し、ともに学んでいただきたいと思います。志を与えられた方は教会生活の中でそれを確かなものにされつつ、ぜひ東京神学大学を受験してくださるよう、期待しております。

 


▲ 近藤 勝彦 学長


2009年4月9日の正門の桜

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